



自己投資といっても、何をすればよいのかよく分かっていないのですが...


自己投資も投資ですから、お金と時間がかかりますが、他の投資(株や不動産投資など)と比較して、費用対効果は圧倒的に高いのではないでしょうか。

自己投資に関する概要を説明した後に、将来大きなリターンを得るためにはどのように自己投資をしていけばよいのかについて解説していきますね。

この記事を書いた人
管理人てぃー
建設業界(20代前半:年収240万円→240万円)→日系金融業界(20代後半:年収600万円→900万円)→外資系金融業界(30代後半:年収1300万円→上昇中)と2回の転職経験あり。
カッコ内の最初の金額は入社時の年収、矢印の後の金額は、退職時の年収を表します。
過去に2度の転職を成功させていますが、正直、運とタイミングがよかったという面が大きいと思います。
ただ、一方で、20代・30代のころに、同年代の多くの人たちが遊んでいるときに本気で自己投資を行ったことも、成功を掴みとることのできた大きな要因だと思っています。
目次
自己投資ってなに? 趣味と何が違うの? 20代・30代の方、ココを間違えないで!
自己投資とは、将来の自分の可能性にかけて、今の自分に時間やお金を投資することを言います。
自分以外のものに投資する長期の株式投資や不動産投資は、自己投資とは言わないですね。
株のデイトレード(一日以内で決済して翌日に持ち越さないトレード)や、短~中期の売買を繰り返すスイングトレード、FXなどは、配当も企業の成長もリターンとして受け取れないので、そもそも投資でもないです。
自己投資は、たとえば、弁護士になるために司法試験の勉強をする、外資系企業に転職するために英語の勉強をする、モデルを目指してダイエットをする・歩き方の訓練を受ける、といったものになります。
皆さんの中にも、小学校・中学校の義務教育の後、高校・大学・短大・専門学校などに通われた方が多いのではないでしょうか?
進学したときは将来のことはあまり考えていなかったとしても、数年間という時間を投じたわけですから、それらも立派な自己投資にあたります(費用面は、親が出してくれたという方がほとんどだと思いますが、時間を投資すると言うのも自己投資になります)。
学生のころは自己投資(勉強)をしていた方も、一度就職してしまうと、日々の仕事に追われ、なかなか自分の将来のために自己投資することができていない人も多いと思います。
ただ、そこがチャンスなのです。
就職した後に、いろいろと実務に関連する知識・スキルを仕事を通して学ぶというのはすごく重要で、入社後の数年間はそれに専念するというのもよいのですが、中々それだけだと、他の人と差別化をはかり、抜きに出るのは難しいです。
日々の生活で忙しいとは思うのですが、電車での移動時間、お昼休み、寝る前の1時間、飲み会の出席回数を減らす...などで時間を作り、自己投資にその時間を当てることができれば、将来何十倍・何百倍にもなって帰ってくる可能性があるのです。
多くの人が、正しい方向性で、継続した自己投資を行えていないのが現状です。
だからこそ、20代・30代のうちに、正しい方向に本気で自己投資に励めば、やらなかった人と比べて、生涯年収で1億円あるいはそれ以上の差をつけることができるのです。
この記事にたどり着いた皆さんの中には、「本当にこのままでいいのか?」「もっと頑張ったほうがいいのではないか?」と考えている人も多いと思います。
この記事を読んだ後、何も行動せずにまた元の生活に戻り、圧倒的大多数の人と同じ行動をとって埋もれていくというのは、あまりにももったいないです。
正しい方向性で自己投資を行って、プラス数千万円~数億円の生涯年収を手に入れましょう。
なお、これまで、何度か「正しい方向性で自己投資を行えば...」いうような文言を使いましたが、世の中には、自己投資と称して単なる趣味・娯楽に時間とお金を使い、ほとんどリターンを得られていない人がかなりいます。
目的によって、それが自己投資になるのか、単なる趣味・娯楽・浪費になるのかは変わるので難しいところではあるのですが、1つの判断基準としては、自己投資の目標が達成されたときに期待される利益(リターン)とそれが達成される確率を考えてみて、利益×確率が自己投資にかかる想定費用(お金と時間)よりも大きそうかどうかで、自己投資かそうでないかを判断するというのもよいと思います。
もちろん、正確にそのような計算をして費用対効果を考えるというのは不可能なのですが、なんとなくでも考えた上で投資の価値ありと判断されたものに、貴重な時間とお金を投資するべきです。
例として、以下の4つについて、どういうケースが自己投資になるのかを考えてみたいと思います。
- 1本10万円のワイン(ほぼ、浪費です)
- 英語学習(目的が仕事に結びついているなら、よい自己投資です)
- 読書(ほぼ、趣味です)
- 自分の見た目、物、健康(コストが高すぎなければ、まぁまぁの自己投資です)
先にカッコ書きで答えを書いてしまいましたが、以下で、それぞれについて その理由を説明します。
1本10万円のワイン(これは自己投資ではなく、ほぼ浪費です)
1本10万円のワインを買うというのが自己投資になるかどうかを考えてみます。
もし、その人がソムリエを目指していて、その目的を達成するためにはどうしても1本10万円のワインを飲むことが必要というケースや、社会人の営業の方で、自分の担当の会社の偉い方がワイン好きで、それを飲むことによって関係性がより密になり、中長期的に会社の収益、しいては自分の給与アップがそれなりの確率で見込まれるという、かなりレアなケースでは自己投資にあたると言えます。
一方で、先ほどの判断基準(利益×確率 > 自己投資にかかる想定費用(お金と時間)ならば自己投資)に従えば、ほとんどケースではコストがリターンを上回るため、10万円のワインを買うことは、ただの趣味・娯楽・浪費になります。
(趣味にお金を使うことに反対しているわけではないです)
英語学習・英会話(目的が仕事に結びついているなら、よい自己投資です)
次に、よく自己投資のおすすめとされる英語学習を考えてみます。
たとえば、どうしても転職したいと考えている外資系企業があったとして、転職するためには、あと英語力のみが不足しているというケースを考えてみます。
仮に、転職に成功した場合には平均的に200万円の年収アップが見込まれる場合、転職が成功する確率が20%程度と仮定をおけば、利益×確率を 200万円/年 × 20年間勤務 × 転職成功確率20% = 800万円と計算できます。
2000時間くらい本気で英語の勉強をすれば、それなりの英語力は身につくと思いますので、仮に時給1000円で計算すると、投資時間はお金換算で200万円となります。
そのほかに英語勉強の書籍代+必要に応じて英会話学校などの費用を見込んでも、費用が見込み利益の800万円以下になる可能性は高いですので、2年間留学するといった費用がすごくかかるような話でなければ、英語の勉強は自己投資ということができます。
なお、管理人てぃーの実体験、および周りの人の状況を見ても、間違えなく英語学習はもっともコスパの高い自己投資の一つと考えています。
日系企業から外資系企業に転職するだけで、年収+100万・+200万は当たり前、その中で英語ができて外国人の上司や本社の人とうまくコミュニケーションをとり、自分の仕事の成果をうまくアピールできるようになれば さらに+100万・+200万円と一気に年収が増えることはザラにありますからね。
いい大学を出て大手の日系企業に就職し、既に出世コースに乗っていて特に英語は必要ないという方なら そのままで全く問題ないですが(というか羨ましいです)、現状に満足していない人は全員英語を本気で勉強して、年収アップを狙っていった方がいいと思っています。
学歴や現状のスキルに自信がない人こそ本気で英語を勉強すべきですね。
効率的かつ費用対効果の高い英語の学習方法に関しては、以下の記事 でまとめていますので、ご興味のある方は ぜひ読んでみてください。
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社会人・大学生におすすめの自己投資No.1 は英語学習!効率的な英語勉強法を徹底解説!
続きを見る
一方で、「外人と話がしたい」「海外旅行をもっと楽しみたい」といった、金銭的な利益のためではなく、自分の幸福度のために英語の勉強をする場合、それは、趣味の一環と言ってよいと思います。
読書(これは自己投資ではなく、ほぼ浪費です)
多くのサイトで、おすすめ自己投資のTOP3に入ってくるのが、この読書です。
その理由としては、よく以下が挙げられています。
- 本とは、著者がこれまで積み上げてきた経験や知識を、膨大な労力をかけてまとめたものなので、その経験と知識を1000円程度の費用と数時間の読書時間で手に入れられることを考えれば、費用対効果は何百倍、何千倍にもなる
- インターネットで検索できる情報には、根拠のないものや質の低いものも多く含まれるが、書籍であれば出版された時点で一定の水準はクリアしている
1つ目に記載した理由の前半部分と2つ目の理由はまさにその通りだと思うのですが、1つ目の理由の後半部分の費用対効果が何百倍、何千倍というのは本当でしょうか?
1000円の本だとしたら、1冊で数十万円~数百万円のリターン(利益)があるということです。
単純計算で、10冊読めば数百万円~数千万円のリターン(利益)ということになるのですが、ほとんどの人にとって、考えるまでもなくそんなことはありえません。
リターン(利益)を得るためには、本で得た知識(インプット)を使って、行動を起こして(アウトプットして)成功する必要があるのです。
そもそも行動を起こさなければ(アウトプットしなければ)、費用対効果ゼロですからね。
アプトプットに直結できる本であれば、本の価格の何百倍というリターンを得ることもできる可能性はありますが、本を読んですぐにその通りに行動を起こせるかというと、著者と読者は置かれている状況が全然違いますから、そこまで簡単ではないです(現実的に不可能という状況も多いと思います)。
毎月10冊本を読んでいるとか、自己投資で読書をしているという人の99.99%は、インプットのみでアウトプットはほぼゼロ(費用対効果≒ゼロ)となっているのが現状ではないでしょうか。
なお、管理人てぃーも、読書=No.1 自己投資理論を信じて、かなりの時間を読書に投じてうまくいかなかった経験があります。
管理人てぃーの場合、読書を始めて最初の1ヶ月くらいで、初期に読んだ本の内容をほとんど忘れている/すぐに思い出せないという状況に気がつきました。
これは私が特別頭が悪いということではなく、どうも人間はすぐに忘れる生き物で、何かを覚えた直後から急激にそれを忘れ始めてしまうようです。
心理学者のエビングハウスが提案している忘却曲線というのがありまして、これを読書に当てはめて考えてみると、本を読んだ1日後には、読み終わった直後の理解度に達するまでに、読書にかけた時間の66%の時間を再度費やす必要がある、1ヵ月後になってしまうと、最初の読書にかけた時間の79%の時間を再度費やさないと同じ理解度にはならないということになります。
管理人てぃーも忘却曲線の話はなんとなく知っていましたし、実際に急激に内容を忘れるということを体験しましたので、この問題を解決するため、1冊読み終えるごとに その本の主要な部分・概要をあとで数分で復習できるように、重要箇所のコピーをとり、一冊のノートに切り貼りしてまとめていくという作業を行いました。
以下のようなイメージですね。
(スマホでは横スクロールができます。図の拡大はコチラ)
あまり内容が濃くない本であれば、A4ノート1ページに収まるのですが、内容がすごく濃い本になると、重要箇所+あらすじが分かるようにまとめると、A4ノートで12ページにもなっているものもありました(全然サマリーになっていないですね)。
発想自体は悪くはなかったと思うのですが、時間が非常にかかるという難点がありました(ただ読むだけと比べて5倍くらい時間がかかりました)。
後で一気に色々な本の要点・概要を読み直したときに、点と点がつながり、何かすごい発見があるかもしれないという可能性は感じていたものの、「あとで何かに使えるかもしれない」というのは投資として成立していないのではないかと考え、最終的には一時休止してしまいました。
この件は、まだ未練?可能性?を捨て切れていない部分もありますので、またいつかチャレンジしたいとは思っています(今読み返してみても悪くはない印象です。ただ、これで得た知識をどうアウトプットしていくかは課題ですね)。
こういった経験もあり、管理人てぃーは、月に10冊とか20冊本を読むような読書は、ほぼインプットだけの状態で、マンガや映画と同じく趣味の1つだと考えています。
ただ、「本=著者がこれまで積み上げてきた経験や知識を、膨大な労力をかけてまとめたもの」というのは間違いないと思いますので、どの自己投資を行うのかを決めるときの情報収集、やるべき自己投資を決めた後のやり方、それに関連する知識の習得という意味で、本を活用するのは非常に費用対効果が高いと思います。
たとえば、以下のように、自己投資として何かを行う際のツールとして本を使用するというイメージです。
- 自己投資として英語の勉強をすると決めたときに、いきなり留学や英会話教室に通ってもそれほど費用対効果が高くないために、まずは本を買って、ある程度のレベルになるまで独学で勉強する
- 株式投資あるいはFXのデイトレーダーとして成功するために、成功者が執筆している本を読み、手法、心構え、失敗談などを学ぶ
自分の見た目、物、健康(コストが高すぎなければ、まぁまぁの自己投資です)
自分の見た目(ダイエット・美容・髪型・化粧など)、物(服・靴・時計など)、健康(食生活・運動など)への投資は、モデル・女優などを目指している人にとっては、優先順位のもっとも高い自己投資の1つと言えると思いますが、そうでない人にとってはどうでしょうか?
これらの自己投資にかかるコスト(費用)をイメージすることはそれほど難しくないと思いますが、投資によるリターン(利益)をイメージするのがとても難しいです。
これに関しては、プレジデントがぴったりの記事「なぜ、外見で生涯年収が4760万増えるか」でまとめています。
アメリカのテキサス大学のダニエル・S・ハマーメッシュ教授(労働経済学)によると、7500人を調査対象として、人の容姿を5段階に分けて(5が最高、3が平均)、平均年収との関係を調べたところ、男性の場合、見た目の印象がいい「5と4」の人は、容姿が平均より劣る人「2と1」と比べて、平均年収が17%多い(女性の場合には12%多い)という結果が得られたようです。
ダニエル教授は、上の記事の中で「オーストラリア、カナダ、イギリス、中国(上海)でも、容姿がいいと収入にはプラスの影響がある結果となっている」と述べています。
調査対象の国の中に日本は入っていませんでしたが、同じアジア系の中国(上海)が入っていましたので、日本人にとっても 他の国の人と同様に、自分の見た目、物、健康へ投資することは、リターンがそこそこ大きいと考えてもよさそうです。
もちろん、人の容姿には、生まれつきの面がかなり大きい 身長や顔立ちなども含まれると思いますし、実施した調査がヒアリングを伴うものであれば、話し方・声質などの自己投資しても激的な改善が見込めない要素も、ここでいう容姿の中に含まれることになると思います。
このため、年収の17%を、自分の見た目(ダイエット・美容・髪型・化粧など)、物(服・靴・時計など)、健康(食生活・運動など)に投資してしまうと、コストがリターンよりも大きくなってしまう可能性が高くなります。
こういった意味で、自分の容姿への投資は、毎年の合計コストを年収の5%~10%程度(期待されるリターンの半分程度)にしておくのがよいかもしれません。
ここまで4つの例を挙げて説明してきましたが、何となく、何が自己投資で何が趣味・娯楽・浪費なのかについてイメージを掴んでいただけたでしょうか?
次の章では、自己投資にはどのような種類があるのか?についてご説明します。
20代・30代向けの自己投資にはどんな種類があるの?
自己投資は、大きく「スキル・知識」「経験」「容姿」「人脈」に分類することができ、下図のように整理できます。
(スマホでは横スクロールができます。図の拡大はコチラ)
「スキル・知識」に分類されるものとしては、英語力、資格、プログラミング、読書などがあり、「容姿」に分類されるものには、中分類として「体」と「物」があり、そのうち「体」に分類されるものには、美容、筋トレ、ダイエットなどがある、というように見ていただけたらと思います。
前章で4つの例を示しながら説明したように、上の図中に記載した各項目(英語力、資格など)は、人によって それが自己投資になるか趣味・娯楽・浪費になるか変わるのですが、ここでは一般的に自己投資になりうると考えられているもののうち、主要なものを列挙しています。
各項目のうち、カッコ書きで記載しているものは、ごく一部の人にとっては立派な自己投資になる一方で、多くのケースでリターンがコストよりも低くなり、投資というよりは趣味・娯楽に分類されるものになります。
20代・30代におすすめの、費用対効果(コスパ)の高い自己投資はなに?
自己投資の目的は色々あると思いますが、たとえば、生涯年収を高めることを目標とする場合、「スキル・知識」か「経験」に分類される「起業」に注力すべきだと思います。
20代・30代の自己投資『スキル・知識』:リターン×確率=大
「知識・スキル」に関しては、わりと分かりやすいと思うのですが、身に付ければ、今働いている会社でもより重要な仕事(そのスキルを必要とするプロジェクトだったり、海外赴任)を任せられる可能性は高まりますし、会社によってはTOEICの点数や特定の資格取得が昇進条件とされています。
もちろん、転職のときのアピールポイントにもなります。
管理人てぃーも、20代・30代のころに、同年代の多くの人たちが遊んでいたときに本気で自己投資を行い、一級建築士、博士号を取得し、外資系企業で何とか通用する程度の英語力も身に付けています。
投資した時間+お金としては、一級建築士に2000~3000時間+約40万円、博士号に3年(学費は補助があったのでほぼ無料。この間、最初の2年は無職、最後の1年は年収240万円)、英語学習に3000時間程度+約15万円となります。
一級建築士と英語の学習時間は時給1000円でお金に換算、博士号は最初の会社での年収240万円×2年(最後の1年は、研究成果に伴う240万円の収入があったので2年とします)でお金に換算すると、投資額の合計は、なんと、1000~1100万円となります(正直、自分で計算して驚いています)。
この期間、自己投資なんてしないで時給1000円のアルバイトをしていたら1000万円もの貯金ができたことになりますね(実際は、空いた時間すべてをアルバイトに当てるという人は少ないと思いますが)。
ただ、この投資により、得たものは非常に大きいです。
建設業界(20代前半:年収240万円→240万円)→日系金融業界(20代後半:年収600万円→900万円)→外資系金融業界(30代後半:年収1300万円→上昇中)と2回の転職を行っていますが *注1、この転職の成功は1000万円級の自己投資が大きく影響していることは間違いありません(運・タイミングも味方してくれたというのも大きいですが)。
*注1
カッコ内の最初の金額は入社時の年収、矢印の後の金額は、退職時の年収を表しています。
最初の会社で働き続けていたとしたら、今 年収がどれくらいになっていたのかは分かりませんが、たとえば現在の年収と500万円の差がでたとして、定年までの30年間くらいはこの差が続くとすれば、単純計算で生涯年収は1億5000万円違うことになるのです。
結果論といえばそれまでなのですが、管理人てぃーができたのですから、皆さんも 正しい方向で「知識・スキル」に本気で自己投資すれば、大きなリターンを得ることができると思います。
管理人てぃーの一番のおすすめの自己投資は、このスキル・知識への自己投資になります。
「その中でも、どれがおすすめなの?」という質問への答えをすぐに知りたい方は、次章「人口カウンターという考え方」でまとめていますので、そちらを読んでいただけたら幸いです。
20代・30代の自己投資『経験:起業」:リターン×確率=大
管理人てぃーの周りにも個人事業主として起業した人は何人かいますが、ざっくりと半数が成功し、それぞれ年商で2000万円~5000万円程度を毎年稼いでいて、半数が事業に失敗して、現在はまたサラリーマンとして会社勤めしているという状況です。
管理人てぃーの周りの人だけですとデータ数が少ないため、一般的な起業の成否についてを調べてみたところ、中小企業庁「中小企業白書 2006」で、開業年次別 事業所の経過年数別生存率がまとめられていました。
データがかなり古く申し訳ございません...
中小企業白書で、この手の調査結果が分かりやすい形でまとめられておらず、古いものを参照せざるをえませんでした(概ねの傾向を見たいだけですので、ご了承いただけたら幸いです)。
中小企業白書にまとめられている図は、前年対比での企業の生存率となっているため、このデータをもとに、開業からの年数に応じた生存率を算出すると以下の図のようになりました。

全事業所ベース(図中の赤線)で見ると、開業から
1年後の生存率:73%
3年後の生存率:53%
5年後の生存率:42%
10年後の生存率:26%
となっていて、管理人てぃーの周りで起業した人の状況ともそれほどはズレていない結果となっています。
なお、「中小企業白書 2011」でも、年毎の企業の生存率がまとめられていましたが(下図)、同じ中小企業白書でも、先ほどの図と比較して生存率が非常に高くなっています。

よく説明を読むと、「創設時から株式会社 帝国データバンクのデータベースに企業情報が収録されている企業のみで集計」という補足説明がありましたので、起業したばかりのまだ不安定な個人事業主などは対象に含まれていないということが理由だと思います *注2。
*注2
帝国データバンクは、色々な企業の情報をデータベースとして整備して、それを有料で提供している民間企業です(銀行や大手企業が融資先や取引先の情報を調べるために利用します)。
帝国データバンクから調査依頼のあった企業がデータベースに格納されることになりますので、登録されている企業は、一定程度以上の規模の会社が多いと思われます。
起業して成功する確率が50%、そのときの利益が年間2000万円~5000万円とすると、利益×確率が1000万円~2500万円/年となりますので、起業するためのアイデアと知識・技術があるのであれば(なければ、まずはそちらに自己投資して身につける必要があります)、悪くはない自己投資先と言えるのではないでしょうか。
なお、管理人てぃーの知り合いで起業した経験のある人たちのうち約半数が、うまくいかずに またサラリーマンとして働いているとお話しましたが、その際に(転職活動の際に)、直接的には応募先の企業の仕事と関係していなかったとしても 起業の経験はかなりのアピールポイントになったと聞いています。
管理人てぃーも中途採用の採用プロセスにたずさわったことがありますが、もし、20代・30代の方で起業の経験がある方が応募してきた場合には、かなり興味を惹かれます。
仮に、事業がうまくいかなかったとしても、そこでの経験は転職時に強い武器になることを考えると、大きな借金をする必要のある起業でなければ、リスクも抑えられている有力は自己投資の1つと言えると思います。
なお、いきなり起業するのではなく、副業から始めるというのも、よりリスクを抑えたよい選択です。
20代・30代の自己投資『経験:転職先として目標としている分野に関連する副業・アルバイト』:リターン×確率=中
新卒の就職活動で第一希望の業界に決めることができなかった人や、いったん就職したものの思っていたことと違い、違う分野(たとえば、IT業界など)への方向転換を考えている人なども多いと思います。
20代の方であれば、その若さを武器に、特に実務経験がなくてもポテンシャル採用として他業界に転職できるチャンスはありますが、そういった方でも転職希望先の業界の実務経験が1年でもあれば、大いにアピールポイントとなります。
(20代の方が、なぜ転職に有利なのかについては、こちらの記事(『激白!中途採用の裏事情』転職活動を有利に進めて内定を勝ち取ろう)でまとめています)
特にそれが、本業の仕事が終わった後や休日に自己投資としてやっていた経験ともなれば、その時点で未経験ではなくなるということに加えて、「やる気」「計画力」「行動力」を示すこともできますので、他の同年代の候補者に大きく差をつけることができます。
30代前半の方でも、まだギリギリ実務経験なしでも転職できる可能性はありますが、年収ダウンも問題ないというのでなければ、ハードルはかなり高くなります。
ただし、その場合でも、本業に平行して自己投資で実務経験をつんでいれば、転職成功の可能性は高まります。
なお、投資に対するリターン(転職が成功したときの年収)を高めるためには、転職先の業界も重要になってきます。
このあたりのことは、『これが年収のカラクリだ!』年収=業界×会社規模×職種×役職を理解して、年収アップを狙え でまとめていますので、ぜひ参考していただけたら嬉しいです。
20代・30代の自己投資『容姿』:リターン×確率=中
1.4章「自分の見た目、物、健康(コストが高すぎなければ、まぁまぁの自己投資です)」での記載と同じになるのですが、容姿への投資で年収が17%変わるという調査結果があります。
ここでいう容姿には、顔立ちや声質などの生まれつきの影響が大きい要素も入っていますので、年収の17%をすべて、自分の見た目(ダイエット・美容・髪型・化粧など)、物(服・靴・時計など)、健康(食生活・運動など)に投資してしまうと、コストがリターンよりも大きくなってしまう可能性が高くなってしまいます。
コストを年収の5~10%程度に抑えれば、容姿への投資は悪くない自己投資といえます。
20代・30代が自己投資をするなら『人口カウンター』という考え方を知っておくべき!
前章で、" 正しい方向に本気で自己投資をすれば、大きなリターンを得ることができる "、" 管理人てぃーの一番のおすすめの自己投資は、「スキル・知識」への自己投資です " とお伝えしました。
ただ、知識・スキルといっても、その中には、英語・資格・プログラミングなど様々なものが含まれます。
- 英語 → TOEICの点数アップ、英会話力、より高度なビジネス英語など
- 資格 → たくさんありすぎ...
- プログラミング → Python、C++、PHPなど
では、どれに貴重な時間とお金を投資すべきなのでしょうか?
正直、「人による」というのがその答えになるのですが、それでは元も子もないので、ここでは 最適な自己投資先を見つける方法をご紹介します。
転職による年収アップを目標とするのであれば、サラリーマン・OLとしての年収は転職市場における人材の需要と供給でほぼ決まりますので、需要があって供給がほとんどないところを目指すのがベストな方向性といえます。
そこで、ご紹介するのが「人口カウンター」という考え方になります。
「人口カウンター」は管理人てぃーが考案したものではなく 20年位前に知人に聞いたものなのですが、初めてその話を聞いたときは、かなり衝撃を受けました。
それからすぐに、人口カウンターの考え方に基づいて身に付けるべき知識・スキルを決め、20代~30代のころに本気で自己投資をした結果、2度の転職で大幅な年収アップを実現することができました。
前置きが長くなってしまいましたが、「人口カウンター」とは何なのか?を説明しますね。
「人口カウンター」とは、以下のような特徴・機能を持つ、架空の機械のことです。
- 大きめのストップウォッチのような形(形は重要ではないのですが、イメージしやすいように、念のためお伝えします)
- 最初スイッチを入れると、表示画面には、全世界の人口の数値が表示されている
- 自分が持っているスキルや知識、資格などをインプットすると、今表示されていた人数のうち、そのスキル・知識・資格を保有する人の数が表示される
たとえば、管理人てぃーの例で説明しますと、私は日本で生まれて日本で育った、生粋の日本人です。
もちろん、日本語ネイティブです。
この条件(日本語ネイティブ)を人口カウンターに入力してみると、最初 表示されていた、全世界の人口「7,875,000,000人」が、日本語ネイティブの人数「126,100,000人」に変わります *注3。
ここまでは、一般的な日本人の社会人であれば皆さん同じですね。
*注3
世界の人口は2021年時点の数値です(出典:世界人口白書2021)。
また、日本語ネイティブの人数は、2021年時点の日本の人口を示しています(出典:世界人口白書2021)(外人でも日本語ネイティブレベルの人は多くいるでしょうが、日本人でも小・中学生くらいまでは、仕事で使えるレベルの日本語は能力はないと思いますので、簡易的に両者が相殺されるものとしました)。
私はもともと大学では建築を専攻していたこともあり、その分野の中でも最難関資格の1つである「一級建築士」を20代前半のころに必死で勉強し、取得しています。
日本全国の一級建築士の数は、371,184人(2020年時点)で、その中で自分のライバルとなる20代~30代は一級建築士全体の約12%のため、人口カウンターに「20代~30代の一級建築士」と入力すると、示す数値は「44,542人」(=371,184 × 12%)となります。
(一級建築士の資格を取るような人はほぼ全員日本語ネイティブレベルだと思いますので、ここではその前提で話を進めています)
だいぶ減りましたが、まだライバルが4万人以上もいます。
これだけでは、まだ戦えないと考え、次に管理人てぃーが自己投資として励んだのが、博士号の取得です(建築分野の工学博士です)。
日本全国で、大学院の博士課程に進む人は、2019年では1.5万人でした。
1.5万人は、浪人・留年もせず、大学・修士課程・博士課程入学と進んだ人の博士課程入学時の年齢である24歳の全日本人の人口 122.8万人に対する比率でみると、わずか1.22%になります。
100人いたら、1人くらいしか博士課程に進んでいないんですね。
博士課程に進んでも博士号を取得できずに退学する人もそれなりにいるのですが、ここでは簡単にするため、博士課程に進学した人の数=博士号を取得した人の数と考えてみます。
さきほどに続けて「人口カウンター」に「博士号」と入力すると、示す数値は「543人」(= 44,542人 × 1.22%)となります。
ここまで「人口カウンター」の数値が小さくなると、ほとんどライバルに会うことはないです。
仮に、ここまで入力してきた能力を持つ人材を欲しい企業があったとすれば、ほぼ言い値、は言い過ぎかもしれませんが、転職すればかなりの年収アップが見込めます。
実際、管理人てぃーはこの時点で他業界・他職種への転職を果たし、年収240万円から600万円にアップさせています。
ここから数年間は、博士課程で費やした3年間の実務経験ブランクを取り返すため、転職先企業での業務を通じて、実務経験を積むことに専念しました。
仕事もだいぶ覚えてきたころに、さらに自分の希少性を上げるために、次に自己投資として30代半ばに始めたのが、英語学習です。
英語の能力を測るテストの1つとして TOEIC がありますが、管理人てぃーも転職の際に英語がソコソコできることをアピールするために2度ほど受験しました(2度目のテストで855点でした)。
TOEIC855点というのは、正直言って、英語ネイティブの人と不自由なく仕事をするというレベルにはほど遠いのですが、最低限、仕事上のコミュニケーションが取れるレベルです。
本当に最低限です...
とはいえ、公開されているTOEICの点数別の人数比率を見てみると、直近の10回分くらいでは 845点以上の人は受験者全体の10%程度となっていました。
TOEICを受ける人は、わりと英語の勉強をしている人が多い(全く英語に興味がない、勉強をしていない人は受けない)ような気もするのですが、深いことは考えずに、この比率が単純に、日本の全人口に対するTOEIC 855点(管理人てぃーの得点)以上の英語の実力の人の割合とします。
続けて「人口カウンター」に「TOEIC855点以上の英語の実力」と入力すると、表示される数字は「54人」(= 543人 × 10%)となります *注4。
*注4
博士号を持っている人の中には、英語ができる人が多いのではないか?というようなツッコミもありそうですが、ここではそういう難しいことは考えないこととします。
なお、英語はグローバルに展開している企業であれば業界・業種にかかわらず必要なスキルになりますので、他のスキルと組み合わせやすいスキルの1つと言えます。
効率的かつ費用対効果の高い英語の学習方法に関しては、以下の記事 でまとめていますので、ご参考にしていただけたら嬉しいです。
-
社会人・大学生におすすめの自己投資No.1 は英語学習!効率的な英語勉強法を徹底解説!
続きを見る
ここまでの「人口カウンター」に表示されている数字の推移を整理すると、以下のようになります。
7,875,000,000人(世界の全人口)
↓↓↓↓↓
126,100,000人(+ 日本語ネイティブの人口)
↓↓↓↓↓
44,542人(+ 20代~30代の一級建築士)
↓↓↓↓↓
543人(+ 博士号)
↓↓↓↓↓
54人(+ TOEIC 855点の英語力)
人口カウンターの数字が1000人を下回ったら、少なくとも20代~30代前半までであれば、転職活動では敵なしだと思います。
30代後半以降になると、企業側から見たときに、採用コスト(転職者の年収)が高くなるということと、転職した後の成長が20代~30代前半の方と比べると見込めないということもあり、若い候補者が転職活動におけるライバルということになりますが、能力は圧倒していますので十分戦えます(同年代以上では敵なしです)。
なお、ここで気をつける必要があるのは、人口カウンターに入力する情報は全て、目指している転職先の業界・業種・企業で使えるもの、関連するものでなければいけません。
極端な話ですが、どこかの国の少数民族の言葉がネイティブレベルで話せるといった需要のないスキルをインプットすると、人口カウンターの数字は「1」になるかもしれませんが、それは全く意味がありません。
たまに、手当たり次第に1~6ヶ月くらいの勉強時間で取得できる資格を大量取得している人がいますが、それぞれの資格を持っている人の数が多いということと(比較的簡単に取れる資格なので)、関連性がない資格も含まれているケースも多いことから、組み合わせれば人口カウンターの示す数字は低くなると思いますが、それだけでは転職を成功させることは難しいです。
人口カウンターの考え方は、なんとなく伝わったでしょうか?
この考え方で、自分の現在の専門分野・希望の転職先の業界・企業でアピールできる分野の知識・スキルを選び、本気で自己投資すれば、転職で大幅年収アップすることも難しくありませんよ。
それでも自己投資として何をするか迷ったら。20代・30代の人なら英語学習が一番おすすめ!
前章でご紹介した「人口カウンター」の考え方に基づいて自己投資すれば、それだけでグッと成功に近づくのですが、もし何に自己投資すべきなのか判断に迷っているのであれば、英語の勉強をすることをおすすめします。
もちろん、今も今後も全く英語は必要ないという人にとっては英語の勉強は無駄ですが、ほとんどの人にとって英語ができるだけで可能性が大きく広がります。
よく「英語はただのコミュニケーションのツールなので、英語だけできても意味がない」「英語にプラスして専門知識・技術がないと、英語だけできてもダメ」というようなこと言う人がいます。
それはそれで間違えているわけではなく、ある意味その通りだとも思うのですが、実際に今の日本の転職市場を見てみると、英語+α の専門知識・技術がある人は超希少な人材で 引く手あまた、英語ができるだけでも希少な人材で かなり転職に有利という実態があります。
それに、英語ができるだけと言っても、実際は、社会人としての経験が多少なりともあれば何かしらの経験・技術・知識があるはずですし、新卒・第二新卒なので社会人経験がない/少ないという人でも、若さという転職市場では最大の武器があります。
つまり、転職して年収をアップするという観点で言うと、20代の人は英語ができるだけで圧倒的に市場価値が高く、30代の人は間違いなく何かしらの経験を持っているので、それに英語力がプラスされれば市場価値は一気に上がるため、今 もし20代・30代の人が自己投資に何をやるのか迷っているのであれば、英語を勉強すべきというのが 管理人てぃーの考えになります。
先ほど、「日系企業から外資系企業に転職するだけで、年収+100万・+200万は当たり前、その中で英語ができて外国人の上司や本社の人とうまくコミュニケーションをとり、自分の仕事の成果をうまくアピールできるようになれば さらに+100万・+200万円と一気に年収が増えることはザラにあります」と記載しましたが、これは本当のことなのです。
ちなみに管理人てぃーが英語の勉強を始めたのは30代半ばです。30代の人でも勉強を始めるのに全然遅くないですよ。
英語の勉強は決して楽ではありませんが、20代あるいは30代の方であれば 間違いなくやる価値があります。
以下の記事で、効率的な英語の勉強法に関して詳細にまとめていますので、ご興味のある方は読んでいただけたら嬉しいです。
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