

ただ、そこまで勉強してきた人は基礎ができていますので、あと一歩です。
この記事では、ネイティブの英語を理解するための英語耳の作り方について解説していきますね。

管理人てぃーもそうでしたが、リスニングができないときに 勉強方法を色々調べていると、「自分が発音できないものは聞き取れないので、まずは発音の練習をするのがよい」というアドバイスを見つけます。
間違いなく会話するときにはキレイな発音ができた方がよいのですが、リスニングを上達させるという観点からは、私の経験上、発音記号と発音方法を正確に覚えて英単語の発音の練習をしていくというのは、決して最善とは言えません。
実際、自分が発音できなくてもその表現を知っていれば普通に聞き取れます(実体験)。
また、実際に英語で外国人と会話をするとよく分かりますが、こちらの発音が多少間違えていても全く問題なくネイティブの人は理解してくれますので、「リスニング力を向上させたい!」「英会話ができるようになりたい!」と考えている人にとっては発音練習の優先順位はそんなに高くしなくてOKだと思います。
ちなみに、管理人てぃーも発音が重要という情報を信じて、以下の本を購入して勉強しましたが、正直やらなくても全然問題なかったと思っています。
DVD&CDでマスター 英語の発音が正しくなる本
この記事では、ネイティブが話す英語が聞き取れない主な理由と、どうすれば聞き取れるようになれるのかについて解説していきます。
この記事を書いた人
管理人てぃー
転職のために、TOEICは2回のみ受験経験あり(1回目:600点、2回目:855点)

2回目のTOEIC受験後、バリバリの外資系企業に転職し、外国人と毎日 英語で仕事をしていますので、当時よりも間違いなく英語のリスニング力は上がっていると思います(転職後5年以上たちます)。
目次
ネイティブの英語が聞き取れない4つの理由

インターネットで英語が聞き取れない理由を調べてみると色々出てきますが、私の経験上、ズバリ、ネイティブの英語が聞き取れない理由は、以下のどれか、あるいは これらのうちの幾つかの組み合わせになります。
- 英語の基礎ができていない(中学1~2年生の英語の文法が理解できない)
- よく使われる単語、熟語、言い回しを知らない
- 知っている単語・熟語でもネイティブが話すと速くて聞き取れない
- 会話内容の背景の知識がない
以下では、上記の4つの理由について、それぞれ解説していきます。
「基礎ができていない」から 英語が聞き取れない!
基礎ができていない、つまり中学 1 ~ 2 年生の教科書に載っているような英語が8割 9割理解できない状態では、ネイティブの英語を理解するのはかなり厳しいです。
なんでも基礎の勉強はおもしろくないのですが、リスクニングを上達させてネイティブとの英会話を楽しみたいのなら避けては通れない勉強になります。
まずは、以下の本などで中学英語を一通り復習されることをおすすめします。
中学英語を もう一度 ひとつひとつわかりやすく。
ちなみに、基礎(中学英語)を身につけると一言でいっても、色々なレベルがあります。
リスニング(聞き取り)とスピーキング(話す)をそれぞれレベル分けすると、以下のようになります( 1 が一番レベルが低い状態です)。
リスクニングレベル
- 辞書などを使わなくても 時間をかければ中学レベルの英文を読んで意味が理解できる
- 中学レベルの英文をサッと読んで瞬時に意味が理解できる
- 中学英語を聞いて、頭の中で何とか翻訳して意味が分かる
- 頭の中での日本語への翻訳をすることなしで、英文を聞いただけで意味を理解できる
スピーキングレベル
- 簡単な日本語の文章を頭の中で英語にして話すことができる
- 日本語の文章を考えることなしに、英語で話すことができる
ネイティブの話す英語を理解するためには、最低限、中学英語を聞いて理解できるくらい中学英語を使いこなせている必要があります。
つまり、最低でも 上のリスニングレベルでいうところの 3 に達している必要があります。
英語を聞き取るだけが目的ならスピーキングの勉強はそこまで重要ではないのですが、最終的にネイティブと英会話をしたいというのが目標なら、スピーキングレベルも上げる必要があります(そうしないと会話が成立しません)。
上記のスピーキングレベル 1、2を一気に達成するための勉強法としておすすめなのが、以下の本を使った自主学習ですね。
管理人てぃーは全シリーズ購入して、何往復も繰り返し、中学英語(スピーキング)をマスターしました。
どんどん話すための瞬間英作文トレーニング
このあたりのことは、以下の記事で詳しく解説していますので、ご参考にしていただけたら嬉しいです。
-
社会人・大学生におすすめの自己投資No.1 は英語学習!効率的な英語勉強法を徹底解説!
続きを見る
「単語、熟語、言い回しを知らない」から 英語が聞き取れない!
知らないから聞き取れないという当たり前の話なのですが、基礎のできている(TOEICの点数でいうと600~900点くらいの)多くの方がネイティブの活きた英語を聞き取れない主な理由はこれになると思います。
まず、単語ですが、よく「日常会話で使われている単語のほとんどは中学レベルの英単語でカバーされる」と聞きます。
文部科学省による「外国語教育の抜本的強化のイメージ」 によると、今後の新たな英語の教育方針として、小学校で600~700語程度、中学校で1,600~1,800語程度を学ぶとあります(つまり中学卒業時点で2,200~2,500語程度の英単語を習得)。
英検3級の語彙数の目安が2,100語ですので、英検3級を合格できる程度の語彙力があれば、日常英会話のほとんどをカバーできそうです。
管理人てぃーが外国人の同僚・友人と日常英会話をする際にも、ほぼほぼ簡単な単語しか使っていないような気がしますので、これはあながちウソではないと思います。
とはいえ、もちろん難しい単語も相手の口から出てくることは多々あります。
が、その会話の全体的な背景・内容が何となく分かっているような場合には、1~2文に1つくらい分からない単語があっても、何となく意味を推測して会話を成立させることができます。
TOEICで600~900点程度とれている人は すでにこのレベルに達していると思いますので、ここからさらに英単語帳を買って一気に単語をおぼえるということはやらなくてよくて、よく会話で出てくる知らない単語をその都度おぼえようとするくらいの感覚でOKだと思います(実際1回聞いたくらいでは覚えられないのですが、重要な単語は何度も出てきますので勝手におぼえると思います)。
つまり、基礎ができている人であれば、今の語彙力でOK。
では、なぜ聞き取れないのか?
それは、簡単な英単語の組み合わせで作られている熟語、言い回しを知らないからです。
一部のスラングもここに含まれますね。
例えば、簡単なものでいうと、以下があります。
それぞれ単語は簡単なのですが、なかなか単語の意味から熟語の意味を類推できないですよね...
もはや おぼえるしかないと思います。
- (It's ) up to you: あなた次第だよ
- just in case: 念のため
- for the time being: とりあえず、当面の間は
- I see ( I got it あるいは got it): 分かった、理解した
(同僚・友人と話すときには、I understoodとはあまり言わないです)
- Makes sense?(Make sense?): 分かった? 理解できた?
(同僚・友人と話すときには、Did you understand?とはあまり言わないです)
How's it going?: 調子はどう?
(How are you?のカジュアルバージョン。How are you?も普通にカジュアルな場面で使います。How are you doing?も使いますね。ほぼ同じ意味です)
上記は 本当によく出てくる言い回しで、かつ 書籍でもまとめれていることが多いのでまだいいのですが、本には載ってこないようなマニアックな表現・言い回し、あるいは載せれないような いわゆるスラングをネイティブに所々で使われると、本当に言っている意味が理解できなくなります。
聞こえる単語単語は英語なんですが、何か違う言語、少なくとも我々が学んできた英語とは似て非なるものという印象です。
ネイティブの英語の文法が間違えているのではないか?と疑問に思うこともあるかもしれません(実際、わざと文法を崩すということもよくあります。が、これも言い回しの一種として考えています)。
ただ、その表現・言い回しを知っていれば、いくらその英語の文法が理解できなくても、言っていることが分かるようになるんですね。
おすすめとしては、そういうマニアックな表現やスラング以外の部分を何となく理解できる状態までもっていって、あとは、実践(ネイティブとの実際の英会話)で少しずつ覚えていくのがよいのかと思います。
もちろん、実践と並行して、インターネットで少しずつスラングなどの知識を増やしていくというのもいいですね。
「ネイティブが話すスピードが速すぎる」から 英語が聞き取れない!
ネイティブにも、わりと はっきりゆっくり話してくれる英語が聞き取りやすい人、モゴモゴしゃべる人、かなり速く話す人と色々います。
ただ、確かに速く話されると理解が追い付かないこともないわけではないのですが、前々章の リスニングレベル のところで説明した レベル4(頭の中での日本語への翻訳をすることなしで、英文を聞いただけで意味を理解できる)まで到達していないか、前章で説明した ネイティブの言い回し・スラングなどを知らないことにより理解できないことの方が圧倒的に多いと思います。
あとは、自分が知っている単語でも、ネイティブは複数の単語をつなげて滑らかに発音したり(音の連結:リエゾン)、ちゃんと発音しなかったり(音の消失:リダクション)するために、文字で見れば簡単に理解できる文章でも言っていることが理解できないということはありえます。
例えば、以下のような感じですね。
Let you know (後で知らせます):
レッチューノー と Let と you をつなげて発音します(レッとチュとノーを同じくらいの強さで少し強めに間を開けずに発音します)。
Got it (分かった):
ガリッ と つなげて発音します(ガを少し強く発音)。
What are you doing?(何してるの?):
ワダーユー ドゥーイン? あるいは、ワラーユー ドゥーイン?と発音します(ワとドゥを少し強めに発音します)。
What と are を つなげて発音し、doing の g は発音しません。
「会話内容の背景の知識がない」から 英語が聞き取れない!
これは、もう英語の話ではありません。
例えば、管理人てぃーは、大学生時代に建築学科で学んでいたので、建築全般とそれに関係する話題であればある程度理解できます。
ただ、プライベートであった友人数人が、仮に薬学部卒だったとして、私のいる前で専門的な話をし始めたら、日本語の会話であっても私は全く理解できないと思います。
仕事でも、複数の異なることをやっているグループで一つのプロジェクトを実施することはよくあるのですが(例えば、営業、研究職、IT など)、全体会議で、ITの人どうしで専門的な話をし始めたら、その会議に出ている他のITの専門知識のない人は全く話の内容が理解できないと思います。
これが英語になったら なおさら分からないですよね。
これはもう、その話題の会話が理解できないのはある程度しょうがないと諦めるか、あるいは どうしてもその内容の話も絡んでいきたいというのであれば、それに関する日本語の本を買って背景となっている知識を深めることが解決策になると思います。
どうすればネイティブの英語が聞き取れるようになるのか?『効率的な英語耳の作り方』

前章では、英語学習者がネイティブの話す英語が聞き取れない主な4つの理由として、以下を挙げました。
- 英語の基礎ができていない(中学1~2年生の英語の文法が理解できない)
- よく使われる単語、熟語、言い回しを知らない
- 知っている単語・熟語でもネイティブが話すと速くて聞き取れない
- 会話内容の背景の知識がない
このうち、最初の「英語の基礎ができていない(中学1~2年生の英語の文法が理解できない)」人については、やはり基礎勉強をするのが後々のことを考えても一番の近道となります。
まずは、以下の本などで中学英語を一通り復習されることをおすすめします。
中学英語を もう一度 ひとつひとつわかりやすく。
最終的な目的が、外国人と英語でのコミュニケーションを取ることであれば、リスニングに加えてスピーキングのスキルも身につける必要がありますが、そのための基礎的な勉強としては「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」が非常に有効です。
どんどん話すための瞬間英作文トレーニング
このあたりのことは、以下の記事で詳しく解説していますので、ご参考にしていただけたら嬉しいです。
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社会人・大学生におすすめの自己投資No.1 は英語学習!効率的な英語勉強法を徹底解説!
続きを見る
また、英語が聞き取れない原因が、2つ目の「よく使われる単語、熟語、言い回しを知らない」あるいは3つ目の「知っている単語・熟語でもネイティブが話すと速くて聞き取れない」にある場合、最適な勉強法として、映画を使用した勉強が挙げられます。
英語中級者の多くはこれに当てはまると思います。
映画では実際に使われる活きた英語が使われていますので、英会話力・リスニング力を上げたい方にとっては、本当にいい教材と言えます。
ただ、映画なら何でもいいという訳ではなく、効率的に勉強するには自分のレベルに合った映画を選び、適切な方法で勉強する必要があります。
以下の記事では、英語学習者のレベル別におすすめの映画のランキングおよび最も効率的で効果的な勉強方法をまとめていますので、ぜひ読んで実践していただけたら嬉しいです。
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『英語の勉強におすすめの映画はコレ!』英会話力・リスニング力が劇的に上がる勉強法も徹底解説!
続きを見る
英語が聞き取れない原因が、4つ目の「会話内容の背景の知識がない」にある場合、これは、もはや英語力の問題ではありません。
その話題の会話が理解できないのはある程度しょうがないと諦めるか、あるいは どうしてもその内容の話も絡んでいきたいというのであれば、それに関する日本語の本を買って、背景となっている知識を深めることが解決策になります。
最後に
英語が聞き取れない、話せない人の中には、もしかすると「ある程度 英語を勉強すれば、どこかのタイミングで一気に英語が聞き取れるようになる。話せるようになる」と思っている方がいらっしゃるかもしれません。
よく 英語の勉強時間に対する英語力の伸びを、下図の赤色の線のように説明している人が多いからだと思うのですが、これは大げさすぎで、私の実体験 あるいは 周りの人を見ている限りでは、海外に留学などして数年間英語漬けということでもない限り、赤線のCのように短期間で一気にネイティブレベル近くに英会話力・リスニング力が上がるということは考えられません。

どちらかというと、青色の線の方が近いと思います。
ある程度まで勉強を続けると英会話力・リスニング力も伸び始め(上図のBの開始)、その後は徐々に徐々に伸びていく。
その間、ネイティブと英語で話していても聞き取れないところ・理解できないところも多々あるものの、何とか前後の文章や雰囲気で内容を予測して くらいついていくというイメージです。
そのような状態ですので、理解できたところと よく分からなかったところが、最初は2:8くらいなのですが、実践や勉強を続けていくと、徐々に3:7、5:5と上がっていく(決して一気には上がらない)という感じです。
最終的に、8:2くらいで理解できるようになれば、日本人としては周りからほぼネイティブと思われるレベルになっていると思います。
ここに向けて、長い年月をかけて近づけていくイメージですね(ちなみに管理人てぃーは、まだこのレベルには全然達していません)。
この記事では、英語中級者に向けて、「なぜネイティブの話す英語が理解できないのか?」「ネイティブが話している内容を理解するためにはどうすればいいのか?」について解説しました。
この記事で挙げた 4つの項目 のうち、どの部分が自分に不足しているのかを特定し、それを重点的に勉強すれば、徐々にネイティブの話している内容は理解できるようになりますので、ぜひ参考にしていただけたら幸いです。